2024.10.30AKKOのおすすめ

昔の最先端、丁寧な暮らしとセンスを花森安治から学ぶ

AKKOめずらしく日本ドラマにはまる


先月のこと。
国木田独歩の玄孫という俳優さんが
なかなか良い夫役を演じている『A table』というドラマを楽しんで見ていた。
こな風に、ご飯作って、チャチャっと後片付けまでしてくれるなんていいなぁ。

レトロな雰囲気の借家に、
シンプルでセンスの良いインテリア。
若い夫婦がときどき見ている
暮しの手帖社のロングセラーの料理本や雑誌が気になった。
 
ドラマの方は1シーズンの自然な軽快さがよかったのだけれど
2シーズンは、悩みが増えたのか、ちょっと暗めで今ひとつだった。
 
 

次、「暮しの手帖」にはまる


 
真っ赤なタータンチェックの表紙の『おそうざいふう外國料理』の本も、
ジャケ買いならぬ装丁買いしそうなのだけれど、
一人前じゃ凝った料理は作らないだろなーと
「暮しの手帖」を読んで見ることにした。
 
1990年代とか、自分が生まれる前のものとか
メルカリでバックナンバーを何冊か買って
次々と読みあさった。
古き良きな時代風景も感じられ、
何よりも昔の暮らしは丁寧だったなと思う。
 
《靴下のたたみ方》なんて出ているんだもの。
 
 

そして花森安治にはまる


 
そして次に入手したのは 
保存版の『花森安治』の特集。
すごい読み応えで感化される。
 
写真を見ただけでは、
怖いおばさんかと思ったけれど、
男性で、伝説の編集者。
なんとスカートを履いていたというから驚いた。

 
戦後間もない日本で、
こんな雑誌を作ったとは凄いセンスの持ち主だ。
 
 
ふと高校生の時に考えていたことが頭に浮かんだ。
世の中には変な安物を作って、
さらにそれを宣伝するアホなTVや雑誌。
本当に良いものだけを載せる雑誌というものは
ないのだろうか⁇ と思っていた。
 
そして、大学の時だったか、
広告なしの雑誌が、
独自の商品テストをしていると知り。
「ああ、あったのか。良かった…」
と安堵したのを覚えている。
 
専攻はジャーナリズムで新聞学科だったのに
そんな出版社で働こうと思わなかったのか? 
それが全く思わなかった。
きっと、私が大学生のときには
花森氏は天に召されていたので、
感じるものもなかったのかもしれない。
 
 

ベビーカーの耐久力は舗装された道・砂利道・土の道を100km押したとか!

 
この商品テストというのが、
消費者のためでないと知って、さらに驚いた。
メーカーがちゃんとしたものを作って
世の中が良くなればいい。
そんな風に考えていたのだ。素晴らしい!
 

 メーカーが、役にも立たない品、要りもしない品、
 すぐこわれる品、毒になる品を作らなければ、
 そういうものを問屋や小売店が、
 デパートやスーパーマーケットが売りさえしなければ、
 それで事はすむのである。
 
 なにもかしこい消費者でなくても、
 店にならんでいるものが、ちゃんとした品質と性能をもっているものばかりなら、
 あとは、じぶんのふところや趣味と相談して、
 買うか買わないかを決めればよいのである。
 
 そんなふうに世の中がなるために、
 作る人や売る人が、そんなふうに考え、
 努力してくれるようになるために、
 そのために<商品テスト>はあるのである。 (暮しの手帖「花森安治」より抜粋)

 
乳母車のテスト、ミシンのテスト…etc
本気の本気。
政治家やメーカーの社長さんに爪の垢でも
飲んでもらいたい。
 
そんな厳しいテストも、
記事の方は、堅苦しくなく面白く読めるのがまた凄い。
 
 
表紙のイラストやデザインも食い入るように
見てしまう。
 
 


そんな中で魅せられたのは、暮らしの絵本『ソース家の物語』!
なんてキュート! 
料理の組み合わせを舞踏会にしてしまうなんて。
ただものではないセンス。
 
これこそ正真正銘の保存版。
 
近いうちに、花森氏の著書を探して、
図書館へ足を運んでみようと思う。
 
 

◆暮しの手帖
 「花森安治」保存版Ⅲ 2004年1月1日発行
販売は終了していますが、Amazonnやメルカリにあると思います!
こんなに安くていいのかしらと驚くような中古価格。
この読み応えは買って損なしです。