2024.03.08AKKOのおすすめ

10年経ってもまだ新品同様! 長く愛用している美しの南部箒

母に怒られた3万円の箒

毎年2月の寒い時期になると
南部箒の手入れをする。
海水と同じくらいの濃度のぬるま湯に半日ほど漬けて
陰干しする。

 
癖のついた穂先も真っ直ぐになり、見違える。
買ったときには、「3万円もする箒なんて!」と母に怒られたけれど
本当に欲しかったのは5万円の箒で、100万円の箒もあったよ!と言ったら呆れられた。
 
毎日のように使っているのに、こうして何年も使っても
古びるということがない。
絨毯の目に詰まった埃も掻き出してくれる。
穂先が斜めになっていて、大変掃きやすい。

 

 
乱れていた穂先も↓綺麗に整う。
 

 

種から無農薬で育てるホウキモロコシ

製造元の高倉工芸さんでは、
この独特の縮れのあるホウキモロコシを、
種撒きから、農薬不使用で育てているという。
最近ではオーガニックの箒まで出ているようだ。
 
そして一本一本手作り。
一本を作り上げるまで、ホウキモロコシの選別から編み上げまで
長い時間をかける。(こだわりについてはこちら
 
そしておよそ掃除道具とは言えないような、繊細な装飾。
鮮やかな絹糸と格子に編んだ模様が美しい。
 


 

父が亡くなってから、バレンタインのシーズンには
デパートの催事で、あちこちから集まるチョコレートをいくつも買って帰り
母と楽しんでいた。
催事コーナーの隣をふと通りかかると、
職人さんが箒を脚と手を駆使して編みながら売っていた。
その美しさに見惚れてしまった。
 「10年以上使っている人もいるよ」
その言葉に、1年で3000円ならば!と
《小箒》という、先が斜めになってい小回りの効くのを買った。
絹糸は、赤・緑・オレンジ・ピンク・黄・紫・青・茶・黒と9色もある。
でもそのときには全色なかったから、青いのになった。
 
こうして手入れして蘇った放棄を見るたびに母に毎年話しかけたくなる。
 「ほらもう12年も使っているのに、こんなに綺麗。
  高かったけれど、あと10年経っても使えるんじゃない?」
ふふふん♪
 

 
◆高倉工芸
 岩手県九戸郡九戸村大字戸田第9地割115番地
 https://nanbuhouki.jp