2023.05.30AKKOの遠足

お姫様の精進料理とレトロな建物群を楽しむ

皇女様の召し上がる精進料理

五月晴れのとある日、友人を誘って東京の東小金井にある尼寺『臨済宗 三光院』に出かけた。《竹之御所流精進料理》をいただきに。
この宮中の雅と禅の心が一体となった竹之御所独自の精進料理は
京都にある曇華院の門跡を務める天皇家の皇女様が日々召し上がる尼寺料理として、
室町時代から600余年にわたって受け継がれてきた。
修行としての精進料理とはちょっと違う、見目も美しく繊細で手の込んだ料理だ。
 
曇華院から三光院初代住職になられた祖栄禅尼さまから、二代目住職の香栄禅尼さまが
受け継ぎ、現在は料理長 西井香春さんが継承されている。
曇華院は非公開で、一般人が料理をいただくことはできないため、
東京でいただけるなんて有り難いこと。
 

三光院の山門をくぐると、境内には二代目住職が掘られたという石仏が
新緑に輝く草木のあちこちにひっそりと佇んでいる。
奥へ進み、元幼稚園だった建物『十月堂』が、料理をいただく場だ。
大きな窓に竹林が美しい、レトロな建物。

 
最初にいただくのは、ササリンドウの最中。京都で焼いているという香ばしい皮に
こし餡と真ん中に塩気のある大徳寺納豆が入っている。そして、お抹茶。

 
精進料理のコースメニューは毎月変わる。
HPに情報があるので、そら豆と青豆の料理を狙って行ってみました。
 <各月コースメニュー>

五月の<雪の餐>おしながき

 
お料理一つ一つの感想は省きますが、一品一品サーブされるごとに説明を聞いた後、
ゆっくりと味わう感じ。会席料理や精進料理は、見た目や器が綺麗で、
あとで思い出しても何を食べたか印象が薄いことが多いのだけれど、
今こうして書いていても、一品一品、そのビジュアルとお味を思い出すことができる
味わい深い料理。いったい作るのにどれだけの時間がかけられているのだろう。
精進料理教室も開催されているので、料理上手な方はぜひ。
 
精進料理をいただきにいらっしゃる方は、
三光院で精進料理を出すまでの二代目住職の香栄禅尼さまの奮闘の様子を
神田真紅さんが『香栄禅尼 物語』として講談されているので
ぜひご覧になってからいらっしゃると、より感慨深くお料理をいただけると思います。
  
 ・第一回
 ・第二回 
 

途中で供された茄子のヘタを使った紅葉が浮かぶ《一口吸い物》・最後の《すすり茶》

 
 

 

江戸から昭和の貴重な建物がいっぱい!

お腹が満たされた後は、テクテクと歩いて『江戸東京たてもの園」に。
三光院からは20分ほど、暑くも寒くもない気持ちの良い季節の散歩は最高♪
 
ここは、都立小金井公園の中にある《野外博物館》で、江戸から昭和中期まで
30棟の復元建造物が立ち並んでいる。
 
江戸時代の農家、ハイソな洋館、高橋是清邸、三井邸などの住宅群。
住宅は中に入ってじっくり見学が可能。
文具店、花屋、荒物屋、乾物屋、傘屋、仕立て屋、銭湯、旅館などの商業施設は、
店先に入って奥を覗くこともできる。
 

大川邸


三井邸

商品?が一杯の荒物屋

 

ジャイアンやのび太が遊んでいたような空き地

旅館

 
 
ここでの一番は、やはり上大崎にあった建築家 前川國男の自邸。
願わくばこんな家で暮らしたい。なんならここでもと思わせる
潔くシンプルな、吹き抜けのリビングが心地良さそうな家だった。
トイレなんて、このまま真似したいほどモダンなんだもん。

前川國男邸 外観

 

前川國男邸 室内①

前川國男邸 室内②

全館じっくり見られなかったので、いつかまた行ってもいいなと思う。
 
遠くて行けないよ!という方は、こちらで雰囲気を感じてみて。
 「懐かしい日本 江戸東京たてもの園」

 
 


◆三光院 
 東京都小金井市本町3-1-36
 042-381-1116
 http://sankouin.com

◆江戸東京たてもの園 
 東京都小金井市桜町3-7-1内 都立小金井公園
 https://www.tatemonoen.jp