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2024.06.01AKKOのおすすめ
モーリス・メーテルリンクは、家の本棚にあった「花の知恵」を読んだのが最初だった。
私の積読か母が持っていたのかすらわからない。
観察力とその独自の華々しい御伽噺の舞踏会を思わせる表現に
これは只者でないと感じた。
今更私が気づかずとも、ノーベル文学賞を授与されているけれど。
そこで、『蜜蜂の生活』を買ってみた。
ついでに童話でしか読んだことがなかった『青い鳥』も。
チルチルミチルが青い鳥を探す童話は小さいときに知っていた。
「青い鳥」は1908年に発表された《戯曲》だった。
衣装や舞台背景などもこと詳しく書かれていて、イメージが浮かんでくる。
いつの間にか、メーテルリンクの想像の世界に引き込まれる。
一緒に旅するチルチルとミチルの仲間は、
《光》、火と水、パンと砂糖
(個人的には米と塩がいいと思うけど)
二枚舌で姑息な猫、おバカで従順な犬。
子供でもわかるような言葉の端々に、深い幸せについて考えさせられる。
お金持ちである幸福
地所持ちである幸福
虚栄に満ち足りた幸福、
乾かないのに飲む幸福、
ひもじくないのに食べる幸福
何も知らない幸福
もののわからない幸福
何もしない幸福
眠りすぎる幸福
これらの幸福たちは、食べたり飲んだりして騒いでいて、そのうちいなくなってしまう。
そして出てくるのが、
子供達の幸福
あなたのお家の幸福
健康である幸福
清い空気の幸福
両親を愛する幸福(これは見向きもされず悲しそうにしている)
青空の幸福、森の幸福、昼間の幸福、春の幸福、
夕日の幸福、星の光出すのを見る幸福、雨の日の幸福、冬の火の幸福、
無邪気な考えの幸福、
露の中を裸足で駆ける幸福、
正義である喜び
善良である喜び
美しいものを見る喜び
ものを愛する喜び
そして、
くらべもののない母の愛の喜び…
こうしたキーワードだけでも、おおっ!とくるのではないか。
家の中には幸福がぱんぱんに溢れていて、見つけてもらえずにいるなんて。
この「青い鳥」は、1960年の堀口大學の翻訳が有名だけれど、
1911年に日本初の翻訳が出てから、1992年まで
多くの方の手で翻訳されている。
読み比べてみるのも面白いのかもと、
昔好きだった江國香織の訳本も買って読んでみた。
堀口大學では堅苦しかった話し言葉が、すんなりと入ってきた。
さらには、古本屋で見つけた、私が生まれるずっと前の本も。
田中末廣の翻訳。
これは読んでいて、ときどき?となる。
”かぐしには、あるへいとうを、一ぱいもつているのです”
ポケットには有平糖が沢山入っている、ということらしい。
昭和20年代だからか、サンタクロースも”クリスマスのおじさん”、
クリスマスツリーも”クリスマスの木”である。
メーテルリンクの著書には、ほかにも『埋宮』、
カトリックにおいて禁書指定となった『死後の存続』、
『理知と運命』、『生と死』、『万有の神秘』(埋宮の別訳)、
『貧者の宝』、『マグダラのマリア』まで面白そうなものがまだまだある。
宮沢賢治も読んで影響を受け、昔は大学の講義のテキストにもなったという。
しかし古いのは、Amazonにもほぼないので、本当の古本を探すか、
図書館に行かないと読めないかも。
どこかのお爺ちゃまが、古い本棚に仕舞い込んでいやしないか。
大正時代の蔵書なんて無理か…
さて、どの本が縁あってやって来るのか楽しみで®️
次回は、この「青い鳥」の続編について(そういうものがあったんですよ!)書きます。
◆「青い鳥」堀口大學/訳 新潮文庫
本当は知らない”幸せさがし”の原典
◆「青い鳥」江國香織/訳 講談社
https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000209468
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