2024.08.06AKKOのおすすめ

昔ながらの流下式塩田で海と太陽と風のエネルギーで手作りされる塩

日本の塩の歴史

今回の旅で行ってみたかった浜比嘉島の『高江洲製塩所』
 
日本の塩の受給率は11%ととても低い。

(c.f.中国95%・US63%・インド148%・ドイツ110%・オーストリア1175%…生産量順
「World Mineral Production 2017-2021)
 
広大な土地に放っておけば塩ができる《天日塩》ができる
オーストラリアやメキシコなどと違い
命に関わる大切な塩は、昔から海水を濃縮して煮詰めて作られて来た。
戦争に負け陰謀論とかもあるけれど
安く供給できるようにと、専売制や1910年から4フェーズにわたる《塩業整備》によって
古くからの塩田&平釜方式から、
海水直煮製塩&立釜方式、イオン交換膜法&立釜方式へと変わって来た。
 
効率は良いけれど、ちょっとあれな工業製品へなっていったわけだ。
そして、多くの塩田が廃止となった。
 
今考えると、子供のころから体に良くないとされる《精製塩》で育っていたことになる。
塩分の摂り過ぎは高血圧になり、体に悪い。。。と言われた時代だ。
今こうして塩フェチの私が、いろいろな塩を試すことができるようになったのも
2002年を過ぎてから。なんとまぁ、ありがたいこと。

 
でも、精製塩や外国の塩にニガリや海水を加えて作られた
《再生加工塩》というのもあるので、塩選びはよ〜く吟味しないといけない。

 

 <塩の歴史>
1905年 塩専売制の実施
1949年 日本専売公社設立
1971年 塩業近代化臨時措置法
1985年 日本専売公社が民営化
1997年 専売制廃止
2002年 塩の製造が自由になる

 

 

まさに自然の中で作られる塩っぱいお塩


案内してくださった塩職人の高江洲優さんは、
駄洒落で笑わせてくれながら説明してくださった。
 
浜比嘉島のこの塩工房では効率の良い《流下式塩田》で塩が作られている。
竹枝で組んだ《枝条架》にポンプで組み上げた海水が滴り落ちる。
濃縮された海水は、下の《流下盤》を流れ、
再びポンプに汲み上げられて…を何回も繰り返す。
 
台風のときには、枠組を残して竹枝を全て外して片付けるという。
太陽と風のエネルギーと、地球の重力も加わって
濃くなった海水は平釜で炊き上げられる。
にがりやミネラル豊富な塩。
 

 
ここでしか買えない にがり液の中で自然結晶した『にがり塩』。
本土のうるマルシェでは売り切れだった 釜焚きして初めに浮かんでくる『大粒塩』。
どちらも希少な限定品。
 
他にも月の満ち欠けに合わせて汲んだ海水から作られた
『満月の塩』と『新月の塩』もあった。
この二つは、鎌倉のkilottさんでも扱っていて過去記事にも書いた。
 
満月と新月とで月の引力による違いが、塩分濃度やミネラルの違いとなり味に出る。
明らかに『満月の塩』の方が強い。
 
そのあたりは、ソルトコーディネーターの青山志穂さんが語られているので、
興味のある方は読んでみてほしい。塩は季節によっても味が異なる。
 

見学して塩を購入した後は、おすすめのプライベートビーチに行ってみた。
植物で覆われた小道を抜けると、最高の砂浜!
 
こういう海を知ってしまうと他所の海には惹かれなくなっちゃうな…

 

◆ 高江洲さんの塩作りの話
https://ryukyushimpo.jp/style/living-style/entry-1748963.html
 
◆ 高江洲製塩所
https://www.hamahigasalt.com/
 
◆日本の塩作りの歴史
https://www.shiojigyo.com/siohyakka/made/history.html
 
◆ソルトコーディネーター青山志穂さんの記事(かもめの本棚)
https://www.tokaiedu.co.jp/kamome/contents.php?i=1369