2022.06.24AKKOのお散歩

”皿の上に母がいる”の名言を遺したマスターの癖になるカレー『サリサリカレー』

超個性的なたたずまい『サリサリカレー』

東白楽の六角橋商店街の入り口付近にある知る人ぞ知る『サリサリカレー』

一部の人に理解されるサリサリカレー 昔の人の知恵1000年のカリー


という看板と、店構えを見ると、知らない人は怪しくて入ってこないらしい。

でも一度食べると、癖になるカレー。
また食べたくなる。

鎌倉の『極楽カリー』のカレーが美味しかったので、
コロナ禍でお取り寄せしてみた時に娘にもお裾分けしたら、
「白楽に元祖のお店があるよ!」と、
娘に連れてきてもらったのが最初だった。

”皿の上に母がいる” パキスタンの母の味

そのときには、お店の看板にもある”皿の上に母がいる”という名言が
ナプキンに印刷してあったのを見て、
「ほら〜、貴女もいつかママの手料理を思い出す時がくるのよ〜」と、
押し付けがましく言ったのを覚えている。

いったい私のどんな手料理を、娘は懐かしく思うのか。。。

サリサリカレーは、パキスタンに住んでいたことがある亡きマスターが
帰国したときにお金も何にもなくて始めたのが始まりだ。
日本にはないパキスタンのパンジャブ地方の家庭のおもてなし料理のカレーだった。

現地で習った通りにそのまま、一切の工夫もせずに作ったのがこのカレー。
玉ねぎの甘みとトマトの酸味、水も使わない。
味付けは塩だけで、あとはスパイスの香り。
なんともシンプルで、無添加で身体に良さげだ。

カレーの赤いのは形がなくなったトマトの色なので、辛くはない。
玉ねぎの姿さえも消えている。
ほぐれたチキンがどさっと入っている。
見た目よりも意外とさっぱりしていて、クセになる。

お店のメニューは、このカレーと野菜サラダ、チャイの3点セットと
デザートだけ。

サリサリカレーのハニートラップ

デザートのハニートラップは、
”食べた人同士が 必ず 目を合わせるデザート”
というコピーに、思わずたのんでみたくなってしまう。
まさに、ハニートラップ!

注文すると、「甘いですよ」と念を押される。

娘と食べたときには、水切りしたヨーグルトに、薔薇ジャムがかかっていた。
これも甘さが記憶に残る忘れられない味だ。

サリサリカレーは、亡きマスターの哲学的とも言える上手いコピーと
他にはない印象的な料理で、”旨いか 不味いか 分からない”と
言って、独特の味で人を惹きつけて、味の記憶を植え付ける。

よく、小洒落たお店や有名店で、
色々食べて、見た目も綺麗で美味しかったけれど
何を食べたかはさっぱり覚えてない…というのとは真逆だ。

またいい頃合いに思い出させて、足を運ばせてしまう。

元祖マスターの思い出

私一人だったので、お店の方に話しかけてみた。

「この写真が、元祖マスターなのですね」

「はい。父です」

「とても味わいのある愉快な方ですよね。お会いしてお話ししたかった〜
 何時間でもおしゃべりできそうな気がします」

「父は自分からは話しかけたりしなかったのですが、よく喋る時もあって、
 きっと父が好きなタイプだったと思います!」

このナプキンの名言!
私もタイプだと思います!

写真が綺麗に取れていないので、書いてみますね。

・言葉では 伝えられない 愛がある
・恋でもなく 愛でもないのに なぜか 忘れられない
・最高の味は 消え味
・皿の上に 母がいる
・人を恨む暇はない 愛する時間さえ短い
・目の前にいる人を よろこばせる
・一部の人に 理解される
・恋は落ちるもの 愛は育むもの マジか



お父さまは、自由人で、家にいないことも多かったけれど
いつも周りに人が沢山いて、楽しい思い出しかないそうだ。
お母様は大変だったと思うけれど、
今はこうして、兄弟3人で札幌と盛岡と横浜でそれぞれ
お父さまの味を引き継がれてお店を構えている。
最後に生きる術をそれぞれに残したというわけだ。


ちなみに、本店は札幌の『カラバトカリー』でお父さまの跡を継ぎ
息子さんがやっているそう。

亡きマスターは、寒いのが苦手で
沖縄で出店しようとして、なぜかこの地で空き物件を見つけて
横浜でお店を開いたそうだ。
沖縄の皆さん、残念でしたね…

札幌本店にもなっているカラバトというのは
お父さまが考えた想像上の人物で、
スパイスを最初に発見した男の名前だそうだ。
狩に出かけた男が、弱った動物が木の実や皮を食べて元気になったのを見て、
病気の家族に食べさせてみたということだ。

これって、今流行のブランディングストーリー!

その男カラバトの妻の名前が サリサリということだ。

スパイスで若返り?

ところで、マスターの写真を見ていて
私はあることが気になった。
肌がツルツルで、シミやシワがない。

そのことを娘さんに告げると、
「そういえばそうでした。しみもしわもなく、
髪もふさふさで、加齢臭もありませんでした!」

よく見れば、家族の皆も、目の前の娘さんも肌がツルツルでシミやシミがない。
遺伝といえばそれでおしまい。でも、もしかしたら…

「スパイスのおかげですかね?でも毎日は食べませんよね!」
「いえ、少しですが、毎日食べてますよ」

おおお! 
スパイスで老化予防!
カレーで加齢臭予防!
かも!?

亡きマスターの教えと美輪◯宏の言葉

ほんと、このソファーに座って、ハットを被ったマスターと
お話ししてみたかった〜

あの美輪○宏さんは、サリサリカレーを食してこう言ったそうだ。
 「ものすごく惚れた人に 口の中を撫でまわされている感じ」
メタ褒めですね…

最後に、亡きマスターの良き言葉を。

この白いソファーに座っていたというマスター。奥には遺品のハット

「なにもない人間が生きていくには、
 誰にも比べられないことをしないとダメだ。
 
 どこでやっても生きていけるってことは、
 つまり、
 誰もやっていないことをやるんだよ」
 
 

■サリサリカレー
神奈川県横浜市神奈川区西神奈川3丁目9−2
平日:11:30〜15:00、17:00〜20:00
土日:11:00〜20:00
https://salisali.web.fc2.com

■カラバトカリー
札幌市南区藤野二条12−6−1
https://www.instagram.com/sapporo_karabato/

■サリサリカレー盛岡
https://www.instagram.com/sarisaricurry3/

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