2022.07.02AKKOのお散歩

AKKOの建築さんぽ〜前川國男の神奈川県立音楽堂

横浜は桜木町の紅葉坂に『神奈川県立音楽堂』はある。
月に一度、見学ツアーがあるので、事前予約をして行ってきた。
  ■ 前川建築見学ツアー in 音楽堂 (ココ

横浜に何十年も住んでいるのに、娘のバレエの発表会のときに来たことがあるくらいで、
この場所に、神奈川県立音楽堂・横浜能楽堂があるなんて知らなかった。
神奈川県立図書館は一度来たことがあった。
図書館はこの9月に新しくなる予定だ。

見学ツアーは、グループに分かれて
ボランティアの方がいつもは入れないところまで案内してくれる。

はじめに当時の建築風景のフィルムを見せてもらう。
ランニングや上半身裸の職人さんたちが、せっせと作業をしている感じだった。

当時は終戦直後。大空襲の後、バラックが残り、人々は飢えていて
音楽堂どころではなかった。

そんな時代だからこそ、音楽を!ということで
当時の県知事 内山岩太郎氏が、県立図書館の建設計画にのっかって
《公会堂》ということで建てられたそうだ。
設計は、前川國男氏。ル・コルビジェの元で学び、
前川事務所の出身にはあの丹下健三もいる。

コンクリートとガラスという新素材を使った近代的なデザイン。
木製のコンクリート枠を使っているため、コンクリートの柱には木目がついている。

ロビーのモダンな作りや、カラフルな赤・青・黄・緑の色は
コルビジェを思わせる。


エントランスからホワイエの床は、大理石を真似た《テラゾー仕上げ》
職人さんが枠を作り、大理石や御影石を砕いて、モルタルで固めている。

ホワイエの天井は、真上にあるホールの客席の階段上の形をそのままに
活かしている。

音楽ホールはなみなみの形の天井も壁も木製だ。
ホール全体が楽器のようになっている。

当時は音楽堂の建設など初めてだったので、
後から外だったところに楽屋を増築したたため、部屋の真ん中に柱があったり。

楽器室は設計されていなかったため、天井が極めて低い。


《ホローブロック》という枠だけで真ん中が空洞になったブロックは
光をソフトにして、見た目も重くなりすぎない。

2021年に、この音楽堂と図書館は、《神奈川県指定重要文化財》に選ばれた。
緑の多いこの辺り。無料の動物園『野毛山動物園』もある。
野毛山エリアには、ディープな飲食店も沢山ある。
《神奈川県立音楽堂》、予約してどうぞ!

■神奈川県立音楽堂
横浜市西区紅葉ケ丘9-2

前川建築見学ツアー in 音楽堂 (ココ

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